化学とは?
今回は、私の備忘録も兼ねて、化学について、箇条書きでいかに解説していきます。
・化学とは?
物質を取り扱う学問である。
物質とは水、二酸化炭素、金属、ガラス、プラスチックなどの物体を作っている材料で、人類の文明は新しい物質を作り出して発展してきた。また、物質を構成する要素を元素という。例えば、 物質である水(H2O)を構成する元素は水素(H)と酸素(O)である。物質を今日の生活には様々な物質が存在するが、化学の誕生は紀元前までさかのぼる。
1)金属
金属の性質
金属には次のような特有の性質がある。
・展性(薄く平らに広げられる性質)がある。
・延性(細く伸ばすことができる性質)がある。
・伝導性(電気や熱をよく導く性質)が大きい。
・特有の光沢(金属光沢という)がある。
A 超伝導
金属の中には、ある温度以下では電気抵抗がゼロになるものがあり、この現象を超伝導という。その物質が環状であれば、電場を切っても永遠に電気が流れる。この性質は超電磁石として医療機器やリニアモーターカーに利用されている。
B 合金
2種類以上の金属を溶かし合わせたものを合金という。合金にすることにより、もとの金属にない優れた性質を持つようになり、色々なところで利用されている。
例:ジュラルミン=Al(94),Cu(5),残りMg,Mn
C めっき
金属の表面を、腐食しにくい金属で覆う方法をめっきという。
めっきの種類:
金めっき
クロムめっき
亜鉛めっき
スズめっき
用途:食器・装飾品、水道栓、トタンブリキ
鉄、亜鉛、アルミニウム、銅、銀、金などの流通量の多い金属以外で、リチウム、インジウム、チタン、タングステンなどの流通量が少ないが、利用価値の高い金属をいう。発光ダイオード、電池、超伝導材料、光触媒などの材料に用いられる。
E金属のリサイクル
金属は資源であり、限りがある。また、省エネルギーの観点からも、再利用(リサイクル)をすることが望ましく、今日ではリサイクルの技術も発達している。廃棄された工業製品には、レアメタルや金などが含まれており、これらの廃棄物を鉱山に見立て都市鉱山という。
2)プラスチック(プラスチック Plastic の語源:ギリシャ語の「plastikos (塑像の)」に由来)
一般的に可塑性物質という意味がある。可塑性とは、力を加えると変形し、その力を除いても形状が保たれる性質をいう。
プラスチックの定義:JIS(日本工業規格)より、「高分子物質(合成樹脂が大部分である)を主原料として人工的に有用な形状に形作られた固体である。ただし、ゴム・塗料・接着剤などは除外される。」
「石油、天然ガス、石炭といった天然炭素資源を主な原料として、これらを高分子合成反応させることによって、炭素、水素、酸素、窒素、塩素などの原子を、鎖状や網状に連結した長大分子(ポリマー)に合成し、更にこのポリマーを主体として、充填剤、補強材などを配合して得る材料のことを指す。
ただし、その形状は固体とは限らず、接着剤や塗料のように液状のものや、エアロゾルのようにガス状のものも含まれる。なお、シリコーン樹脂のように無機物に近いものもある。」
・プラスチックの特徴と用途は?
(https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_pe.htm)
プラスチックは石油から取り出された物質を原料にしている。この原料となる物質を多数結合(重合という)させると、高分子と呼ばれる物質になる。この高分子がプラスチックで、加工しやすい、水や薬品に強い、腐食しない、電気を通さないといった特徴がある。代表的なプラスチックには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート(PET)、発泡ポリスチレンなどがある。
具体例
ポリエチレン:ラップ、フィルムなどの包装材料。
ポリプロピレン:キャップ、トレイなどの容器。110℃
ポリ塩化ビニル:水道管、雨樋など。
汎用樹脂PVC樹脂: 安価に大量生産され、絶縁・耐水性などに優れる
ポリエチレンテレフタラート:ペットボトルなど。
発泡ポリスチレン:食品用トレイなど。80℃
ポリ乳酸 (PLA):植物から作られるプラスチックで、石油資源の節約とCO2を増加させないのが特徴な。使用後は微生物により水と二酸化炭素に分解させることができるんだ。透明性に優れ、サラダ容器やカットフルーツ容器等の透明容器に使用されている。50℃
※ペレット→シート状に成形(赤外線ヒーター150℃)→成形機で型を押し出す→トリミング機で切落とす→
Aプラスチックのリサイクル
プラスチックは、「軽く・強く・腐らず・さびない」という利点がある。そのため、自然界に残ったプラスチックは、土壌中で分解されず河川や海洋に流出され生物に危害を及ぼす。また、燃焼の際、一酸化炭素や塩化水素などの有毒ガスが発生する危険性がある。このため、発生するガスの浄化処理が必要となる。塩素原子を含んだプラスチックからは、有毒なダイオキシンが発生しやすい。その他、石油資源の有効利用,ゴミ問題の観点から、プラスチックの再利用(リサイクル)は重要課題であり、現在、以下のような方法がとられている。
製品リサイクル:製品をそのまま再利用する。もっとも望ましい方法である。
マテリアルリサイクル:加熱形成し直して、再利用する。
ケミカルリサイクル:原料まで分解し、それを再利用する。
サーマルリサイクル:燃料として利用する。
3)その他の材料と複合材料
・セラミックス
本来、セラミックスとは土器・陶器・磁器といった「やきもの」を意味した。今日では、非金属元素の固体材料を意味する。陶磁・セメント・ガラスが例である。
陶磁:粘土を水でこね、ろくろなどで成形する。十分乾燥すると水分が90%除かれる。その後、約700℃で焼く(素焼きという)と、水分がほとんど除かれる。さらに、釉薬(うわぐすりともいい、色々な金属の化合物からなる顔料)を塗り約1300℃で焼き(本焼きという)、ゆっくり冷やす。この課程を経て磁器ができあがる。磁器は硬く、水にとけない。これは、焼くことにより粘土の成分が部分的に融け、粘土粒子が接着して固まること(焼結という)による。
セメント:
2つの物体を貼り合わせるものをセメントという。一般に建築材料として使われるセメントは、ポルトランドセメントである。これは、石灰岩(炭酸カルシウムCaCO3),ケイ酸質粘土(二酸化ケイ素SiO2などが主成分),酸化鉄(Fe2O3)を粉砕し混ぜ合わせ、回転釜で約1500℃に加熱・焼結させた焼結体に少量のセッコウ(硫酸カルシウムCaSO4・H2O)を加えて微粉砕した混合物である。セメントに水を加えると硬化する。セメントに砂利と砂混ぜたものをコンクリート、セメントに砂を混ぜたものをモルタルという。コンクリート圧縮には強いが、引っぱりには弱い。そこで、その逆の性質を持つ鋼と組み合わせ、互いの弱点を補った建築材料が鉄筋コンクリートである。
ガラス:
ガラスは二酸化ケイ素SiO2が三次元的にいくつも結合した固体である。この固体では、SiO2の配列が結晶でみられる規則性がない。このような粒子の配列に規則性のない固体を非晶質(アモルファス)という。
A機能性材料
プラスチック、金属、セラミックスなどの材料を組み合わせて新しい機能を持たせた素材。
従来のセラミックスは、さびない・硬い・熱に強いという長所があるが、もろい・温度変化に弱い・加工しにくいという欠点がある。そこでこの欠点を除くため、精製した原料や人工的に合成した原料(炭化ケイ素SiC,窒化ケイ素Si3N4)を用いた製品をファインセラミックスといい、IC(集積回路)の基板,ガスタービンやエンジン,人工骨や人工関節,など、幅広く利用されている。
通信や胃カメラに使われる光ファイバーは、高純度の石英ガラスを主体としている。中心部の屈折率を周囲部より大きくし、端から入った光が壁から逃げないように工夫されている。光を内部に閉じこめて伝送できるようにした繊維である。
複合材料
・繊維補強プラスチック(FRP,強化プラスチック :
ガラス繊維、炭素繊維などで織った布をプラスチックに塗り固めた素材。スキー板,テニスラケットなどに用いられる。
・繊維強化金属(FRM)
セラミック繊維,金属繊維にアルミニウム,マグネシウム,チタンなどの金属を組み合わせた素材。航空機部品などに用いられる。
4)セッケンと合成洗剤
セッケンは油脂を原料にしてつくられ、構造中に水に溶けにくい疎水性の部分と水に溶けやすい親水性の部分がある。セッケンのように親水性の部分と疎水性の部分の両方をもつ化合物を界面活性剤という。セッケンを水に溶かすと、疎水性部分を内側に、親水性部分を外側に集まり、比較的大きな粒子をつくる。この粒子をセッケンのミセルという。油は水には溶けないが、セッケン水を加えて振ると油は微細な小滴となって分散する。このような作用を乳化といい、この溶液を乳濁液という。また、乳化作用をもつ物質を乳化剤という。これは油分子セッケンのミセル内に取り込まれるために起こる。Ca2+やMg2+を多く含む水のことを硬水といい、セッケンはCa2+やMg2+と沈殿してしまうため硬水では使用できない。また、セッケンは塩基性を示す。これらを改良するために、アルコールや石油を原料としたものが合成洗剤である。合成洗剤はセッケンと同様に、疏水性の部分と親水性の部分をもつ。
5)食品添加物
目的により、食品にはさまざまな物質が加えられている。これを食品添加物という。
主な品名
調味料:グルタミン酸ナトリウム,イノシン酸ナトリウムなど
酸味料:クエン酸,酒石酸,乳酸など
甘味料:ソルビット,アスパルテーム,キシリトール,ステビアなど
着香料:バニリン,メントール
保存料:ソルビン酸,安息香酸
酸化防止剤:アスコルビン酸(ビタミンC),トコフェロール(ビタミンE),カテキンなど
着色料:赤色3号(合成着色料),クロロフィル,β-カロテンカラメル色素など
以上、化学についての一般情報でした。